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「読書の時間」は備忘録として読書の感想や書評をまとめたサイトです。

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東スポ黄金伝説赤神信

東京スポーツの元記者、赤神信氏の東スポ黄金伝説を読みました。

東京スポーツっていい加減というか、適当というか、笑いを狙ったスポーツ新聞ってイメージだけで、まあ、スポーツ新聞自体読まないけど、読むとしても東スポは無いかなってイメージです。
なんか、すぐに嘘って分かるようなタイトルだったり、世の中で大きな問題が起きていても全然関係無い一面であったりと、なんかふざけた会社だなぁ〜って印象があります。

つぶれずによく続いているなぁ〜って不思議に思っていました。
誰が読むんだろう?というか買うんだろう?って。

その東スポについて書かれた本と言うことで、まあ、気楽に読んで見ようと。


東スポ黄金伝説。 (幻冬舎アウトロー文庫)

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読み始めて、まず最初にいきなり捕まれてしまいました。

すごいです。
さすが、東スポの記者と思いました。

東スポのファンでもないクセに、何が「さすが」だって感じですが、ちょっと興味で読んだ人間を話さない文章力というか、面白いと思ったらリピーターにしてしまう力ってところでしょうか。

その出だしですが、「マドンナは痔」との記事の顛末です。


マドンナ来日にまんまと遅れてしまい、なんの取材も出来なかった東スポ取材陣ですが、何とかマドンナの泊まっていたスイーツルームに忍び込み、ボラギノール(の写真?)だけ見つけることが出来たと。

その事実だけ報告したら、あれよあれよという間に「マドンナは痔だった」という記事になってしまいます。
裏とりも何もあったモンじゃない。
一緒に泊まった人のモノかもしれないし、写真もよく写っていないのに、もう決め打ちでどんどん話が進みます。

その過程の早いこと早いこと。
これでいけるとか、裏取りは不十分だけど大丈夫なのか判断をする際のその論拠や判断基準なんかが、なるほど〜と思えるモノや、おいおい、こんなんで決めちゃうの?ってモノまであり、カオスの真っ只中って感じです。

こんないい加減な感じで一面決まっちゃってるの?って驚きます。

でも、これがまた、読者の評判がよかったり、大きな反響が合ったりするようです。
クレーム半分、応援のコメント半分って感じで...


もうひとつ、東スポの記者や従業員の給料が高いこと。
ビックリするぐらいもらっています。ボーナスが20ヶ月固定とかって書いてあった気がします。
下手な大手の新聞社や出版社なんかよりよっぽどもらっているのだとか。

これには驚きでした。
東スポって儲かっているんですね...


その後、島田という記者が内定が決まっていた雑誌が編集長の事故死で廃刊となってしまい、就職活動をし直した中で東スポの新卒の募集に応募するところからお話が始まります。

その面接過程のすったもんだや、一風も二風も変わった東スポの記者や従業員、経営者との出会いとその人物像が描かれており、一筋縄ではいかない会社なんだというのが分かります。

その後、経済の発展に乗り、いえ、それ以上に東スポが成長していきます。
勢いに乗って、次から次に手を打って成長していく姿は読んでいて気持ちいいです。

ただ、そんな時代の出来事や名物社員、組織改革による戦々恐々の時代など、様々なことが書かれていますが、まあ、最初のインパクトほどは無く、しかも、大昔のことなのでそれほど興味も沸きません。

出だしで思いっきり捕まれて、満点を付けたいぐらいの出だしでしたが、最後は尻すぼみで結果評価は平均と言ったところです。


東スポには数々の伝説の見出しがあるのだと思いますが、それぞれについての逸話や面白い話をもっと読みたかったと思います。

最初の物語が面白かっただけに...かなり残念です。


2013/09/28


採点:★★★☆☆









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