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「読書の時間」は備忘録として読書の感想や書評をまとめたサイトです。

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ホテル戦争桐山秀樹

桐山秀樹氏によるホテル戦争を読みました。

桐山氏はノンフィクション作家で、定年退職後の海外移住生活を取材して本にまとめたりされているのだそうです。個人的に趣味?として世界中のホテルに宿泊しており、ホテルの評論家としても活躍されているのだそうです。

全く耳にしたことのない方でしたが、最近、海外出張が増え、毎月1回以上のペースで海外に行くようになったので、少し興味を覚えたので読んで見ようと思いました。


ホテル戦争―「外資VS老舗」業界再編の勢力地図 (角川oneテーマ21)

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内容としては2000年代に入り日本のバブルがはじけて、都心部の土地代が下がってきたので外資系のホテル企業も日本に進出を始め、新しく日本のマーケットに参入してくる外資vs国内名門とのお客さんの奪い合いが始まるという内容です。

基本的に高級ホテルの更に高級な部屋の話を基本にしているので、私には全く縁がありませんでした。
こんな狭い範囲の本書いて誰が読むんだろう...

ただ、ラクジュアリースイートやツイン、ダブルの部屋など、東南アジアで泊まることはあります。
料金にして1.5万円〜ってところだと思います。
本書で紹介されている部屋なんかは日本で平均客先単価3.5〜4.0万円辺りと紹介されています。まあ、物価が違うのでそんなものだと思いますが。

そのホテルを思って読むと少しイメージが湧きますが、確かにサービスは満足で、ほとんど不満を持ったことはありません。
あと、新しく取り入れたというサービスもすでにそれらのホテルでしてもらっていたことに気がつきました。空港からのリムジンサービスだと、ホテルに着く寸前に運転手がフロントに連絡をして、着いたらすぐにドアマンに名前で呼ばれ、中でチェックインを担当してくれるスタッフが待っていてくれ、すぐにチェックインを済ませてくれます。
だいたい、着いてもゆっくり出来ずに食事に出かけたり、次の日の仕事の準備をしたりしなければならないので、チェックインがスムーズに行くのはとても助かります。

あと、部屋にスリッパが用意されているととても嬉しいです。
出張の際には荷物はなるべく少なくしたいので、スリッパを持って行くのは嫌ですが、部屋にいるときには靴を履いていると落ち着けないし、かといって裸足や靴下で部屋を歩き回るのは汚い気がするし...
ということで、スリッパが用意されているホテルは大好きです。

また、欧州のホテルなんかになると、アメニティーで歯ブラシが用意されていない事が多いのが不思議です。何故でしょうか?
東南アジアなどの場合には無いことを覚悟していますが、欧州の場合にはついつい忘れてしまうことがあります。
街の真ん中にでもいれば、何か忘れても買えば済みますが、私の泊まる場所はそうでもないもので...

ついつい話が逸れてしまいましたが、本書の感想に話を戻そうと思います。


この本で書かれているホテルや部屋は結構高級なホテルと部屋、サービスについて書かれているので、あまり参考になりません。
最高級なホテルだけが儲かっているのか?
ノボテルやホリデーイン、日本で言えば東横インなどのホテルチェーンはどうなのでしょうか?
どっちが儲かっているのでしょうか?バンコク空港の目の前のNovotelは結構高級でしたが...高いし。
イギリスで泊まったNovotelは大したことなかったけど...水は漏れるし、部屋のダブルブッキングは激しいし。

また、話が逸れてしまいました。

本書の目的は高級ホテルの東京での今後の戦略と熾烈な戦いについて、各ホテルがどのような戦略で立ち向かおうとしているのか、外資の方向性は?日本のホテルオークラやニューオータニ、帝国ホテルなどはどう対抗しようとしているのか?また、何が求められているのか?などが説明されています。

あんまり縁のない話しだし、ふ〜んって感じです。
私は事情通ですよって伝わってくるだけで、分析や意見も独りよがりで論拠に乏しい印象です。
だから何?どうしたらいいの?って感じです。

最後にホテル業界への今後の業界の活性化のための提言の1つとして、オフィシャルなホテルのランク付けが必要だ。業界が動き出すことを期待しているなんてことが書かれています。
確かに、競争を促すことによりサービスのレベルを上げるためには効果的なように感じます。
ただ、桐山氏も自ら辛口ホテル評論家と言っているぐらいだし、開店当時にだけ一度行って評論するような評論家ではなく、最低3年は見て評論していると仰っているぐらいなんですから、自分でランク付けすればいいのにって思いました。もしくはランキングの採点基準でも作ればと。

ホテル業界全体の話には至っておらず、専門知識というか業界についてのある程度の知識のない人は分かりにくいというか、なんかぼや〜っとした感じの一冊だと思います。
素人相手にちょっと知った人が自慢げに色々話を披露してくれているけど、そもそも自分の興味のあるところばかり語られているので良く分かんないっていう印象です。

誤解の無いように書いておきたいと思いますが、書いてあることはもちろん理解できるのですが、業界全体の話が無いし、目的が明確でないのでイマイチ、全体としては前述の通り、趣味の人が自分の好きなところばかり話しているって感じです。
こんな感じの本を読むぐらいなら、身の回りの人で同じように出張が多い人と、あそこのホテルがどうのとか、あっちはこんなサービスがあって良かった、など、情報交換した方がよっぽどましな気がしました。

2013/09/06


採点:★★☆☆☆









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