福田健氏による
「場の空気」が読める人、読めない人を読みました。
昨今の世の中、場の空気を読むことは大切ですし、読めない人がいると、一気に場の空気が悪くなったり、不快な思いをすると言うことも少なくありません。
自分自身、気の利かない発言をしてしまったために会議を長引かせてしまったり、まとまりかけていた商談が振り出しになったりと身に覚えがあります。
場の空気を読むためのコツや読めない発言をしてしまった場合の事例などが紹介されています。
まあ、参考程度にはなりますが、テクニックやノウハウを身につけるというレベルまでは本書では無理だと思います。
面白い実例や参考になる他人の失敗などが紹介されています。自分が失敗しないように、読んでおいて損はない内容かと思います。
ただ、反面、その対策が弱い気がします。
効果的なコミュニケーションというか空気を読むコツとして紹介されているテクニックの1つで、率直に自分の気持ちを伝えると紹介されています。
その実例として手術でその筋の人の入れ墨に傷を付けてしまって、それが引き金でその人は謝罪せい、賠償金を払えと脅してきているというシチュエーションで、その謝罪に向かったチームの中でその入れ墨を見た女性のメンバーが思わず「綺麗」と素直に感想を漏らしてしまいます。
それを聞いたその筋の人は褒められたのが嬉しかったのか、顔を赤らめて、それ以上厳しく請求してこなかったという事例が紹介されています。
これによって、一件落着、よかったよかった。素直に感情をや気持ちを伝えるのが1つのコツだと言っていますが、これは運が良かったと取るべき事例で、論理的に考えれば、これはまずいと思います。
傷つけてしまった入れ墨を綺麗と認めてしまえば、それを傷つけたんだから賠償金を支払うのは当然、自分達の非と傷つけてしまったものの価値を交渉が始まる前から認めてしまった事となり、非常にまずいシチュエーションだと思います。
むしろ、空気の読めない発言の典型かと。運良く、結果オーライとなっていますが...
そんなのを紹介されて持って思います。
空気の読める読めないを結局はコミュニケーション能力として捉え、そのテクニックやノウハウを紹介しています。まあ、確かに、場の空気を読む、読まない、読める、読めないは他人や集団とのコミュニケーション能力に負うところが大きいでしょうから、それは否定しないのですが、結局コミュニケーション能力を前面に出して説明するなら、もっと堂々とコミュニケーション能力向上のための本として出版すればいいのにと、少し金稼ぎのためのテクニックとしての本書の題名付けが浮き彫りになり、逆に興醒めしました。
最後の方の章なんかは、結局コミュニケーションの事しか書いていないし。場の空気云々は関係なく...
あと、コミュニケーションを苦手な人は他人のせいにばかりしていて自分から働きかけていないのではないか?
みんな挨拶してくれなくて、空気の悪い職場だから思うように意見も言えないなんて言っていないで、自分から挨拶するように働きかけていますか?
愚痴ばっかりは言っているけど、自分からは行動を起こしていますか?なんて様な章は参考になると思いました。
その他にも、自分の思い通りの答えが返ってこなくて喧嘩になってしまう夫婦のパターンなど、身に覚えがあることがあり、そうか、これでカチンと来ていたんだ。しかも自分が悪かったなと気づきました。
そういう面では参考になりました。
2013/09/01
採点:★★★☆☆
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