本文へスキップ

「読書の時間」は備忘録として読書の感想や書評をまとめたサイトです。

Since 2012.01.22

とてつもない日本麻生太郎

元内閣総理大臣で民主党に政権を渡した自民党総裁の麻生太郎氏のとてつもない日本を読みました。

麻生さんと言えば、総理大臣在任中に感じを読み間違えたことをずいぶんマスコミに揚げ足を取られていたのを覚えています。些末などうでもいいことだと思っていましたが...ご本人もそう思っていたのでは?
まあ、でっかい耳障りの良いことを言うけど、実行力や実力はなさそうだなと思っていました。

脱官僚の声が高まる中では「役人は政治家が使い切る」なんて空気を読んだ発言をしていたのを覚えています。実際はうまくコントロールされていたと思いますが...

でも、どう考えても民主党に流れが行っている中で、もう誰も自民党に期待していない中で、良く自民党の最後を看取ったと思います。誰がやっても結果は同じだったと思いますが、損な役割だったかなと。
まあ、その後の谷垣さんに比べれば総理になったからましだったかも知れませんが...谷垣さんなんて、民主党政権の時には誰もやりたがらない総裁を引き受けて、いざ政権交代って時には派閥の支援をとりまとめられず総裁選に出馬すら出来なかったんですから...


とてつもない日本 (新潮新書)

新品価格
¥714から
(2013/7/31 21:08時点)




まあ、麻生さんならこんなモンかなって感じの本でした。

マスコミは日本の問題点を取り立てて報道したり、未来は暗いって言っているけど、もっと冷静にグローバルな視点から見てみると日本も捨てたモンじゃないよって言いたいみたいです。

なかなか面白い視点だと思ったのは、高齢化社会が心配だ、問題だって言うけど、本当にそうなの?
年を取ることに関しての価値にも目を向けて、それを活かせる社会を作ろうぜ!という章でした。

他にもニートってホントに悪いの?など、一般的に悪いとされていることに対して違う視点から見ようと努力し、それを受け入れようとしている姿勢が伝わってきますが、上記の高齢化社会意外はちょっと無理矢理過ぎてマンガ読みすぎだよと感じます。
奇策を弄しているけど、王道を見失っている気がします。総論には王道で芯を通しておいて、各論は必要によって奇策や覇道も使って実行していくぐらいになっていると実力のあるリーダーだと感じることが出来るのですが...

あと、偉そうに日本で達成してきた民主主義/政治の仕組みをアジアやアフリカなど新興国の民主化に役立てる、見本になるなんて書いてありますが、日本の民主主義ってホントに民主主義かな?機会の平等よりも結果の平等を求めるある意味社会主義に近い社会なんじゃないかと思いますが...高度成長期も官僚(厚生省)が力を入れる産業を決めてそのための法整備なんかもしてきたし...
第一、海外諸国はそんなこと望んでいるんですかね?本の中にはその証拠というか根拠みたいなことは書いてなかったと思いますが...

あと、日本は海外から認められているぞ!感謝されているぞ!自信持てよ!って言ってくれているんですが、その根拠になることの分析というか、論拠が脆い。脆すぎます。
どこぞの国の高官だったか政治家にODAの際の日本の技術者の働き方を褒められた。日本では当たり前のことでも海外ではすごいことなんだぞ!と言っていますが、社交辞令でしょ。
確かに日本の生産業の管理技術(トヨタ生産方式など)は欧米を含めた海外でも、広く受け入れられていますが。これは私の仕事を通しての時間です。「ゲンバ」って言葉や「カイゼン」、「カンバン」って言葉はそのまま日本語でも伝わる事が多くありますから。NYの大学でのビジネスの授業でも上記の言葉たちは、そのままローマ字で出てきていましたし。


この本を読んで強く感じたのは2点です。

1つ目は麻生さんの日本のいいところを見ようという姿勢も大事だし、それをこういう立場の人が伝えてくれるって言うのも大切だし嬉しいなということ。この人がそれなりの人気があるのも分かります。

もう1つは、各々の分析というか論拠や方策が薄っぺらで、説得力に欠けるし、これじゃあいろいろな政策なんかの実行はフォロー出来ないだろうなって思いました。官僚にうまくコントロールされちゃうでしょうね...

この本を読む限り、この人は総理になるほどの人じゃないと思いました。
安倍さんも個人的には(空気が読めずに行き詰まってしまい政権を中途半端に放り出したから)嫌いだけど、それでも未だ信念を持って政治をしているし、雰囲気に流されている分けじゃないなって感じますから。2回目の政権では少し空気を読みながら、信念は変えないけど表だって言うことと言わないことを分けている印象がありますが...失敗から学んだんですかね?

一方、麻生元総理は空気を読むのが上手く、さらにそれに乗っかるのが上手そうだなと感じました。
朝令暮改、君子豹変も辞さない臨機応変な人って感じがします。
こういうタイプ人って自分もそうですが、ある意味、信念や骨太の方針が無いと思われてしまう事があると思います。それでも、一本芯が通っているとちゃんと伝わると思うのですが、本書からはそういった類の物は伝わってきませんでした。たぶん無いと思います。失礼ですが。

2013/07/31


採点:★★☆☆☆









おすすめ購入先


   イーブックオフ  おすすめ!
   価格競争力が抜群!愛用のサイトでいつもまとめ買いしています。Tポイントも使えます。

   アマゾン
   品揃えは抜群!本だけでなくCD・DVD・日用品・家電・おもちゃと品揃え抜群。送料無料も魅力!

   紀伊國屋書店
   紀伊國屋書店のオンラインショップ。紀伊國屋ポイントをお持ちの方におすすめ。