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「読書の時間」は備忘録として読書の感想や書評をまとめたサイトです。

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誰がテレビをつまらなくしたのか立元幸治

中学生頃まではテレビが大好きでしたが、高校〜大学、社会人になるにつれ、テレビが非常にくだらないものに思えてきました。

あまりにも無責任でいい加減な姿勢にうんざりです。

誰がテレビをつまらなくしたのか

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早速読んだ感想ですが、イマイチ期待はずれでした。

大筋としてはTVの収入は広告収入であり、視聴者が直接の顧客とは言い難い構造があり、どうしてもスポンサーを気にした番組作りになっていまう。
番組作成においても信念や正義を貫いている番組は少なく、商業主義というか質の低い番組が増えている。これはバラエティーだけでなく、報道番組に出すら見られる現象である。
これらの指摘は今に始まった分けでなく、1960〜70年代の新聞の投稿にすでに見られる。
この状況を打破するには、制作側が高い志と強い決意を持つだけでなく、視聴者も一緒に番組の質を上げていく必要があるだろう。直接の顧客でなくとも、視聴率の対象は一般視聴者であり、結果、視聴者が番組を選ぶことにより、質の高い番組が残っていく。と言うことのようです。

まあ、至極もっともな議論の展開なのですが、ちょっと興ざめです。対策があまりにも教科書的すぎて現実性が薄いなと感じました。言いたいことは分かるけど、無理でしょ。
どこかの講演会などでは耳障りがいいかもしれませんが、実効性は限りなく薄いと思います。1960年代から指摘されている番組の無責任さ、商業主義、薄っぺらさなのですから、これができるなら50年経った今、とっくにできているでしょう...

私はもっと収益構造の見直しが必要になるのだと思います。やはり、直接の顧客がテレビ番組を見てくれる視聴者でなく、スポンサーの企業であることに問題があると思います。ここに何かメスを入れられなければ、いくら意識の高い視聴者が増え、行動を起こしたとしても無理でしょう。
TV局としては無視してもいいでしょうし、まあ、そうすると問題が大きくなるかも知れないので、適当に耳障りのいいことを言ってあしらって終わりでしょう。

そもそも、番組の内容についてもそうなのですが、お金を払って見てるわけではないので、私はTVに期待はしていません。ホントに必要な情報や見たい番組にはお金を払います。
お金を払っていないTV番組には期待していませんので、面白い物でもあればめっけものです。一時期、YouTubeの面白い投稿画像を流している番組がありましたが、何だそりゃって思いました。それなりに面白いコンテンツをお金をかけずに番組になるので、手軽だったんだと思いますが、プライドは無いのか?と気分が悪くなりました。そもそも、せっかくの地デジ化なのに画像は汚いし。みたいと思ったらネットで見るって。
視聴者を馬鹿にしてたんですかね?

あと、リーマンショック後の派遣切りですが、なんか大手トラックメーカーのいすゞばかりが報道されていた気がします。当時、派遣切りの規模で言えばもっと一般的なカーメーカーや家電企業の方が大きかったのですが、多くは一般消費者向けの商品を製造しているため、テレビコマーシャルいっぱい出しており、よい・大切なスポンサーであったため企業名を出しての報道は無かったのだと思います。
全然フェアじゃないし、信用なんてあったモンじゃありません。

とはいえ、新聞も含めて、広告に収入の大半を頼っている媒体はこんなモンだと思いますので、大して期待してもいません。
最近のマーケット理論では、テレビ広告では到達度や浸透度は比較的高いけれども、ネット広告に比べて効率は決して良くなく、消費行動に結びついている確立も低いことが分かっており、そのうち、廃れるでしょう。

また、消費者のことを考えたら、技術的にはそれほどハードルの高くないon demandになるべきだと思います。どう考えても現代社会においてはこれが求められる、あるべき姿であり、生き残る道だと思うのですが何で進まないのか?TV局からは進まないと思うので、どこかIT企業が過去のコンテンツでも購入して始めてくれないですかね?その中に上手に広告でも入れて、無料で。

最後に、本書ではマスコミに社会の公器としての誇りと、ジャーナリズムの気高い思想を実現するために云々...なんて件が出てくるのですが、そんなこと一般の人間は期待していないと思いますよ。著者が元々マスコミの人だからそんなこと行っているのだと思いますが、無理でしょう。
期待するだけ無駄だと思います。そうあって欲しいとは思いますが...できるならすでに確立されているでしょう。
無理無理。

と、指摘事項については共感できるのですが、その原因の分析や対応案については全くといっていいほど共感できませんでした。世間知らずのお嬢ちゃん(大先輩に失礼ですが)の戯言って感じにしか聞こえません。naive過ぎるです...

2013/01/04


採点:☆☆☆☆









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