元サッカー日本代表のエースで、欧州のイタリア・セリアAのレッジーナ、スコットランドの名門セルティックスでプレーし、セルティックス時代にはMVPにも選ばれた中村俊輔選手のサッカーに対する考え方が書かれています。
私は中村俊輔選手自体にはあまり思い入れがありませんが、日本代表のエースとして日本代表チームを引っ張っていたことがありますので、何かあるのだと思います。
プレーを見ていても、稀にいいパスを出したりしますが、スピードがあるわけでもなく、突破力があるわけでもなく、なんでこんなに重宝されるのかよく分かりませんでしたので...
これはある意味すごいことで、身体的な能力がそれほどすごくなくても、日本代表のエースとして活躍できるというのはすごいことだと思います。
でも、何故?
何がそんなに齟齬伊野か???
なんて疑問も持っていましたので、読んで見ることにしました。
中村俊輔選手にとってのサッカーのキーワードはタイトル通りの「察知力」のようです。
本書の中では、この「察知力」がとても都合良いというか、幅広い意味として使われています。
今の自分の実力を客観的に把握し、何が欠けているのか?どのような能力を伸ばせばよいのか?監督には何を求められているのか?を「察知し」、それを伸ばしていくことが重要だと説かれています。
また、将来の目標を見据えたときに、自分はどんな壁にぶつかるのかを「察知し」、その壁を乗り越えるだけのスキルやテクニック、メンタリティーを事前に伸ばしていくことも重要だと考えているようです。
中村選手も何度か本書の中で触れていますが、身体的、運動能力的には決して優れている/恵まれている選手ではないので、それを補うために試合の間はその展開を察知し、次の動きを常に考え、相手よりも一歩先に動き出すことを心がけていたとか。
そうすることにより、身体的には劣る中でも世界と互して戦ったり、日本のエースとしてチームを引っ張ることができたようです。
中村選手には申し訳ありませんが、私はイマイチ頼りないと感じていましたが...どうしてもリーダーという感じがしなかったので。テクニックがあり、卒なくプレーをするとは思いますが、状況を打開するようなプレーやチームを引っ張っていくようなプレーには少し物足りなさがあると感じていました。
本書は2008年に書かれたモノなので、ドイツワールドカップ後に2010年の南アフリカワールドカップを目指す途中のモノなので、監督が岡田氏になり、大会直前になってシステムを変更し、先発メンバーから漏れるとは思っていない時期の本書ですが、自信過剰なことも書いていませんが、それでもそんなことになるとは、予想していなかったと思います。
そう考えると、日本代表チームもずいぶんと強くなったなと思います。
今の日本代表ってとても期待できますから。
あと、本書の中で触れられているサッカーノートというのは、その時の気持ちや何を考えて何をしたとか、印象に残った出来事などを書き留めているモノのようです。
これにはビジネスでいるところの中期事業計画のように、中期の目標と足元の目標、そのために何をするのか等が整理されているようで、とても有用だろうなぁと思いました。過去に悩んだときの気持ちも書かれており、コンディションや調子の悪いときにはそれを見直すことで過度に落ち込んだりしないようにしているようです。今、仕事で週報をつけようかと思っているのですが、それに通じることがありそうです。
でも、これをするには四六時中サッカーのことばかり考えていなければならないでしょうから、とても大変な覚悟というか打ち込み方だと思います。ご本人はごく自然にやっているのかもしれませんが。
本書を通して、それほど才能に恵まれていなくても、(中村選手はサッカーの才能に恵まれていると思いますが、世界で競争するともっと才能とか生まれ持った能力に恵まれた人がいるということでしょう)本人の取り組み方次第では一流になれるということを伝えたいのかと思います。
私はどちらかというと現実主義者ですから、夢は諦めなければいつか叶うなんていうのを丸々信じたりはしませんが、これを読むと努力の大切さを今一度感じます。
ただ、こんなに努力してもやはり才能がないと、世界のトップにはなれないのか...とちょっと切ない気持ちにもなりますが...
2012/12/09
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