ソニーの元社長である出井伸之氏のソニーのトップ時代の迷いや決断が語られています。
伝説となっている創始者の井深大と盛田昭夫から続く創業メンバーでの経営から、初のプロフェッショナル経営者としての重責にどう立ち向かったのか?
当時のソニーの経営状態は決して良くなく、現在、大手監査法人KPMGにいる後輩がビジネス(ファイナンス)の授業で好きな企業の財務諸表を取り寄せて分析してみろという授業でソニーを選び、あまりに財務体質が悪いので私にこれでいいんですか?って聞いてきたことが思い出深いです。
出井さんがソニーに入社した頃はソニーは未だ中小企業で、3000人に届かない従業員と数千億円の売り上げしかなかったとか。
氏が社長に就任した当時は従業人が数万人の売り上げ7兆円超にまで成長していたとか。
創業メンバーの持つカリスマ性と、その流れを絶つプロフェッショナル経営者としての指導力の発揮に苦心されたようで、その苦労が語られています。
事業もエレクトロニクスを中心にしたソフトやハードが四方八方に伸びていくようなビジネス構造を、ソフトとハードを2つのコアにして、その間は時代に合わせて対応していくというようにしたと語られています。
そのビジネスの構造はディズニーの元CEOアイズナー氏などからも理解を得ていたと言っていますが、私はどうだったのかな?と少し疑問を持っています。iPodの出遅れについてもソフト事業を持っていたために、そちらに遠慮して似たような商品は出していたけど一歩踏み出せなかったと言い訳されています。
その他、ソニー生命を売却し、財務体質を堅固にしようとしたらしいのですが、いろいろな反対にあって決断を替えてしまったようです。その詳細は語られていませんが、聞きたかったところです。
また、最後に引き際を決断したときに、取締役の中で出井下ろしの噂を聞きつけ、その時に求心力が落ちてしまったと感じたらしいのですが、それももっと具体的に詳細に語って欲しかったと思います。
その後、安藤氏、中鉢氏、ストリンガー氏、平井氏と経営者が変わりますが、イマイチ、ソニーの聚落から回復しているとは思えません。ブランドイメージもどんどん下がってしまっているのではないかと。
出井氏はソニーの財務体質は改善し、将来の成長の目途はつけたと自信満々に語っていますが、その後を見るとどうだったのかな?と疑問符をつけざるを得ないかなと。
液晶のsamsungとの提携もホントに正解だったのかな?と疑問に思います。
私個人としても以前は家電と言えばPC、TV、オーディー、携帯、その他とソニーばかりでしたが、今では安いCDプレーヤーぐらいしか購入していません。TVとPCに関してはソニーはあり得ないとすら感じています。
妻が、スマートフォンをソニーにしたのですが、これがひどい...全然、使えない。何故か本体にしかアプリを保存できないらしく、しかも容量が小さいので全然使えないのだとか。友人も同じことを言っていました。SDカードを入れて容量を足しているのに意味ないじゃん。ふざけてるんですかね?全く、機能や使い勝手を理解できていなかったとしか考えられません。
と、ソニーの経営自体には疑問ですが、本書の中身は孤独な経営者の気持ちや戦略について非常に参考になりました。新書ですから薄く、それほどボリュームもありませんがもっとじっくり読んでみたいとも思います。
まあ、でも読むならもっと成功した経営者の本がいいかな?
あと、これだけのグローバルな企業ですから世界中の会議に出席しなければならず、時差にも苦しむので自分に合う睡眠導入剤を見つけて4時間ぐらいしっかり眠れるようにするのが大切ってのも興味深かったです。私の上司も世界中にbusiness
tripがあるので、仕事は体力だ!なんて言い切っていますし。真夜中1:00に羽田からの11:00ぐらいにフライトでドイツに入っても、すごいスケジュールですねって話を話をすると、いつもより長く寝られたなんて言っていますし...
2012/12/01
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