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「読書の時間」は備忘録として読書の感想や書評をまとめたサイトです。

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渋谷ではたらく社長の告白藤田晋

最近、ちょっと違う業界の人の本が読んで見たいなと思い、
本屋さんに行って色々みていたら、目に入ってきたのがこれです。

藤田氏と言えばサイバーエージェントの社長と言うことと、
奥さんが奥菜恵、有線の宇野社長と縁があるITベンチャーの成功者
ということぐらいしか知らなかったので、読んで見ようかと。

そもそも、サイバーエージェントって何やっている会社なのかも知らないし。

渋谷ではたらく社長の告白 (幻冬舎文庫)

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本の内容としては、氏がどうして経営者を目指そうと思ったのかという中学〜高校ぐらいの思い出から、
大学で怠惰した生活から脱出し、ベンチャーでのバイトを通して経験を積んだこと。

就職活動はやはり大企業ではなく、ベンチャー企業を選んだこと。
大学生の頃のバイト先のライバルである、現在の有線の宇野氏の会社、インテリジェンスに就職したこと。
そこで猛烈に働いて頭角を表したこと。

バイト先でとても影響を受けた専務を2回にわたって裏切ってしまったこと。

独立後にはお客のビジネスモデルをパクって事業を拡大したこと。
今ではあり得ないことだが、当時は背に腹を替えられなかったとか言っています...
まあ、必死だったことは伝わってきます。


ビジネス自体に関しては猛烈に頑張る以外、特に具体的なことは書かれていません。
これを読んでいると、なんか、結果的に上手くいったけど、
あまり事前に綿密に検討されるタイプではなさそうです...

東証マザーズ上場前後では会社も急成長するので、大企業からのエリートと呼ばれる人たちも
採用することができたようですが、その後の株価低迷で多くが去ってしまったとあります。
まあ、こんな将来の見えない姿じゃしょうがないかなと思いますが、
氏に取ってみてはこれがベンチャーとして当たり前とのことです。

ITバブルでなく、それ以前にも日本全体がバブルに浮かれていた頃には
安定した大企業よりもベンチャー企業がもてはやされた時期もありました。
でも、景気が傾いて世の中が不況になると安定企業が人気になるようです。

藤田氏の目標は「21世紀を代表する会社を作る」と、とても明確ですが非常に難しいものです。
トヨタやホンダ、ソニーなど、工業系のメーカーでしか日本が世界に冠たる企業はないと思います。
それに並ぶ企業を作るのは並大抵ではないでしょう...

本の中で、日本のビジネスシーンを賑わしている新しい経営者達、
例えば、楽天の三木谷氏、有線の宇野社長、村上ファンドの村上氏、ライブドア元社長の堀江氏などが
登場して藤田氏とのビジネスの関わりが紹介されています。

藤田氏にとっても全てが順風満帆だったというわけではなく、
薄氷を踏む思いで大風呂敷を広げてそれを何とか後から現実に変えていった話や、
バイト時代から経営者になってからの失敗の数々、株価が低迷したときの苦しみなど、
赤裸々に語られています。


ただ、あまり深く、細かくは描かれていないので、ブログというか日記を読む感じで
さらっと読める本です。

あと、紹介の帯に涙なしでは読めないようなことがありますが、そんなシーンはちっともありませんでした。
さらに、起業から最年少での上場、女優の奥菜恵との結婚、そして...なんて書いてあるので、
奥菜恵との離婚についてもその原因や内情が語られているのかと思ったら、
全く触れられていませんでした。結婚したぐらいで終わりです。
しかも、そのなれそめもさらっと書かれているし、結婚に至る経過もさらっとしています。
まあ、ゴシップが読みたいわけではないのであまり興味はありませんが、
あの帯ではそれを期待した人も多いことでしょう。

新入社員を確保するために、会社案内で過剰広告で人を集めたなんてことも書いていますから、
これもその一環でしょう。
まあ、これぐらい図太くなければビジネスの世界で生き抜くのは難しいのでしょうが、
正直言って恥ずかしくないのでしょうか?
コアビジネスに関わることならまだしも、こんな本ごときまで・・・

2012/11/11


採点:★★★☆☆









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