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「読書の時間」は備忘録として読書の感想や書評をまとめたサイトです。

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貧乏クジ世代香山リカ

香山リカ氏の「貧乏クジ世代」を読みました。

主に70年代生まれの第2次ベビーブーマーや団塊ジュニアのことだそうで、
私もその対象ですが、折に触れて、何かついてない世代に生まれたなぁと
なんとなく感じたことがあったため、どんなについてないのかと興味が湧き読んでみる事にしました。

受験の時には子供がたくさんいるからライバルが多く、
大学卒業の時にはバブルがはじけて空前絶後の就職氷河期。
更に会社に入っても、当然バブルの恩恵はなく負の遺産ばかり。
バブルのときにじゃんじゃん採用した人たちの中には、
仕事できないけどそれなりの給料をもらって足引っ張ってる人ばかり。
なんて、感じで思っていました。

しかも、後の世代は少子化やゆとり教育で競争は楽になり(と思っている)、
就職時にも新卒者の売り手市場とうらやましいなぁ~と。

当然、前の世代は高度成長期やバブルでいいなぁ~と。


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さて、中身ですが、読み始めていきなり衝撃を受けました。

30代半ばで、仕事にも順調で、結婚して子供もでき、家も購入したら
もう人生を終わっても良いなと感じる人の話が出てきます。

正直、私もなんとなく感じたことがあります。

直ぐに死にたいって訳ではありませんが、仮に今死んでも悔いはないかなぁと。(嫌だけど)
後の人生は同じことの繰り返しだろうと。

何が出来るのかは大体見えてくるし、大きな変化(良い方)は余り見込めないだろうし、
国や自治体は当てにならないから、自分がしっかりしていかなきゃいけないだろうし。

こういった思いに捉われる人は決して少なくなく、しかも、どちらかというと勝ち組の方で、
人生に不満を持っていない人に多いのだとか...

本書ではこの原因は他人とのコミュニケーション能力や人間関係構築能力の欠如に
結論付けられていたような気がしますが、イマイチ、ピンと来ませんでした。


他にも、自己肯定できないために、がんばっていないと不安な人たちだとか、
他者から見られる自分に拘る余り、本当の自分らしさに気づけないなど、
色々な側面から分析されているのですが、何かイマイチでした。

だって、最初の方は貧乏クジ世代以外にもワークホリックの人全般の話だと思うし、
2番目だって現代社会ならどの世代だってそうでしょ?

全体を通して、貧乏クジ世代の陥っているさまざまな状況の心理分析や
簡単なアドバイスには納得できるのですが、それば貧乏クジ世代特有のものか?
というと違う気がします。

むしろ現代社会の問題と捉えた方が良いのではないかと思います。
その辺が包括的でないというか明確でないので読んでいて少しピンボケな感じがします。

最初の方の人生を30代半ばで終えてもいいかなぁって思うのだって、
別に40~50代だってそうじゃないのかな?
今の日本の社会全体の閉塞感が生み出す現象だと思うんです。
高度成長が見込めなくなり、成長しきった中での閉塞感。

イギリスやアメリカがその際たる状態じゃないかと思いますが。
若者の暴動が絶えませんねぇ~。日本もそうなるのかな?

収穫は、うっすらと感じていた、何か損な時代に生まれた気がするという感覚を
多くの人も持っているということが分かったぐらいでしょうか?


採点:★★★☆☆









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