以前、田中宇氏の「
米中論」を読んで非常に勉強になった上に面白かったので、
同氏の本書を売っていたのを見たので、期待して購入しました。
どうやら共著の大門小百合さんは奥さんなのだそうです。
本書は奥様の大門小百合さんがどこかの出版社だったか新聞社で働いている最中に、
ハーバード大学で世界中からジャーナリストを集めて一年間勉強する
ニューマンフェローシップに応募して合格したことから話が始まります。
このニューマンフェローシップというのは業界では有名だそうです。
別の世界にいると全く知りませんが…
とにかく、ハーバードが世界中からジャーナリストを毎年選んで開催しているのですから、
すばらしいものだとは思います。
このニューマンフェローシップというのは、合格した本人だけでなく、
家族も一緒に留学することができ、配偶者も自由に(ビジネススクール以外の)
セミナーを聞くことができるそうです。
毎日のように有名な教授や学者、政治家などなどのセミナーが開催されているようで、
最新の理論や考え方、どんな議論がされているのか?すごい経験になると思います。
まさにハーバードの教授陣は政権が変われば大統領の側近として、
政権に招かれる方々が控えているのでしょうから。
ただ、この本の内容はこのニューマンフェローでの生活の様子や、他の学生との交流、
セミナーの内容のさわりと簡単な感想が次々と書かれています。
田中氏は何となくアメリカの世界戦略の陰謀というか、アメリカだけでなく世界各国の
政治戦略に利用されているようで反感を覚えたようですが、
私は少し穿って見すぎではないかと感じました。
アメリカのことを更に嫌いになったと書かれていますし…
他国の留学生との交流については多国籍な環境にいれば感じることですし、
ハーバードでなければ感じられないと言うことではないと思うので、
ただの留学日記としか感じられず、退屈でした。
セミナーの内容も聞いた話や生徒の意見をさらっと説明しているだけで、
深い分析や調査、確認などがないため、なんか日記を読まされているようで、
手抜きの作品を読んだ気がしてガッカリです。
誰かの講習の時にはずいぶん深く考察が書かれていましたが、単に得意分野のようです。
でもその部分は面白かったことを覚えています。
期待しすぎて読んでしまったのかも知れませんが、読む価値はありませんでした。
ホント、収穫はといえばニューマンフェローというのがあることを知ったことぐらいです。
採点:★☆☆☆☆
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