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グローバル・ビズは海外でのビジネスの成功のための世界各国のビジネスマナーとビジネス文化を紹介しています。

フランスFrance

マネジメント文化 3/3

  • 成功に終わる買収の傾向として、アメリカ人の経営者がR&Dや資本に対して十分に投資する意思があることが確認できることが挙げられます。
  • 買収以前は多くのアメリカ企業(工場)が綱渡り状態の経営を行い、投資も十分に行われていない場合があります。
  • これは特に管理職者がそのポジションに2-3年程度しかいないことを事前にわかっている場合に多く、必要な投資も短期での実績を重視するために削減する傾向によるものです。ここで削減されたお金は利益として計上され、彼らの4半期決算での評価を助けることになります。
  • 不運にもこういったマネージャーの後を引き継いだ人間は、環境に関する法令の違反、職場事故、設備の不良など数え切れない負債も引き継ぐことになります。そして、これは前任者がしっかりとした管理・経営を行っていれば避けることが出来るものです。
  • これらの投資に対する「短期的指向」は職員の健康・安全、職場保全、製品の品質に誇りを持っているフランス人の経営者や技術者には敬遠される傾向にあります。
  • 多くのアメリカ企業が製品を製造する工場がセロハンテープで補修された状態のままであることに、フランス人は驚くことが度々あります。
  • 一方、カスタマーサービスやマーケティングになるとフランスのビジネス文化はアメリカのそれに学ぶことが多くあります。
  • フランスにおいてはライン・マネージャーは顧客と直接接触することはほとんどなく、その反対にアメリカでは顧客と直接話したり、顧客について頻繁に打ち合わせが行われます。
  • この点についてはフランス人も学ぶべき点であるとの見解を持っています。唯一、高級ブランド品業界でのみアメリカ並みのブランド意識や顧客についての知識やその社内伝達ルートをもっています。
  • また、アメリカ企業はそのビジネス文化の傾向として、系列会社全体にそのロケーションに関らず同様の組織体制を求める(押し付ける)傾向があります。
  • Frank氏はアメリカとフランスのビジネス文化におけるマネジメント手法の比較を通して、アメリカのスタイルの方が自身を外に向けてアピールするには優れていると結論付けています。
  • そのため、アメリカ企業がフランスに進出する際にはフランス語の読み書きを学ぶ必要はありますが、組織体制をフランス式に合わせて適応させる必要はないとも指摘しています。
  • 一方でフランス企業のマネージメント・システムは簡単に他企業で採用できるものではありません。
  • 最初、彼らは買収した企業の管理職にエリート過ぎるほどの人材を送ったり登用したりしますが、これが常に変化し続ける市場で競争力を維持するための多種多様性(diversity)を失う一つの原因となります。
  • アメリカ企業との合併や買収において成功を収めた企業をみると、多かれ少なかれ彼らの体制自身をアメリカ企業に合わせて変化させており、またそのために必要なことを実行した企業であることが分かります。