目安は何?
赤ちゃんの便は健康のバロメーターなので、普段からよく観察するようにと言われたのですが、どのような便が正常な証なのでしょうか?
早速調べてみました。
12ヶ月までの赤ちゃんの正常な便について、色、回数、かたさ、混入物などから見分けることができます。
まず、色は黄色やそれに緑が混ざるのが普通です。
薄いクリーム色や白い便では肝臓や胆汁の通り道の異常が疑われます。産まれてすぐなら、先天性胆道閉塞症や乳児肝炎が疑わしいので受診が必要です。
ロタウイルスなどの腸炎では米のとぎ汁のような便になります。便全体が血液の赤色の場合には小腸下部から大腸にかけての出血が考えられます。腹痛のためにひどく泣くのを繰り返すようなら腸重積の疑いがありますのですぐに受診してください。
回数は実にさまざまです。1日に10回のこともあり、また、2〜3日に1回の赤ちゃんもいます。
新生児から1歳までの間に回数は減ってくるのが普通です。
回数が多くても、便の性質などから下痢らしくなければ問題ありません。
回数が少ない場合も、自力で余り苦労しないで排便できているようであれば便秘ではありません。
自力で便を出しにくいようなら肛門刺激をするのはよいことです。
便の硬さもいろいろです。
普通は母乳の赤ちゃんのほうが便は柔らかく、溶けたバターのような便も正常です。
形はあってもやわらかいのが平均的ですが、ころころした硬い便の赤ちゃんもいます。
便が硬い赤ちゃんは、母乳、ミルク、水分が足りなくないか(ごく稀なことも考えに入れると、普通以上に飲んでいるのに尿が多くてカチカチになっていないか)、チェックしてください。
また、便が硬いために自力排便が困難である場合には小児科に相談してください。
最後に、便に混じっているものについてですが、離乳食を始めると食べたものがそのまま便に出てくることがしばしばありますが、心配ありません。
特に、ニンジンやほうれん草などはそのままの色で出てくるので目立ちますが、それは赤ちゃんでは普通のことです。
便に少しの粘液が付いていることもしばしばあります。
正常な便では粘液は目だって見えないので腸のどこか(特に大腸や肛門の近く)に炎症がある可能性がありますが、粘液の量が少しの場合は経過を見て判断するようにしてください。
原因は分からなくても治ってしまうことがしばしばあります。
粘液が多い場合や臭いが強い場合は受診するようにします。
便に血液が混じっていることも珍しくありません。
多くは便に線状に血液がついている程度のもので、直腸や肛門の近くからの出血と思われます。すぐに治療が必要な原因があるわけではないので、その後にどうなるかを観察し、繰り返すようであれば小児科に相談するようにしてください。